高校の勉強は大学受験のためなの?!
思えば、器用貧乏の片鱗はこの頃から現れていたのかもしれません。。。
高校入試が終わり、晴れて入学!というより、実際は第一志望を落ちて滑り止めで受けた全然行きたくない学校ではありましたが、それでもこれからどんな学校生活が始まるんだろうってワクワクしました。
特に、高校入学と同時に全く違う県へ引っ越してきたので、全てが初めて。
勉強は嫌いではなく、むしろ知的好奇心を満たすことに興味深々な子供でした。
なのに、入って早々、選択科目を何にするかっていう説明会で「ん?」って思うことが。
私は、地球の自然に興味があったのでまず理科は地学を勉強したいと思っていました。
そして社会科は世界の国や文化、外国人に興味があったので地理を取りたいなと。
また、うちの高校は音楽科のある大学とつながっていたので、弦楽の授業が選択科目にありました。
バイオリンやビオラ、チェロなどが授業で習えるなんて!!とテンションマックス。
でも、先生から言われたのはこうでした。
大学受験の科目に地学なんてほとんどないから理科は化学か物理にしなさい。
大学受験は文系だと日本史の方が有利だから日本史にしておきなさい。
大学受験で数学は必須。弦楽を取ると数学の選択科目が一つ取れないから弦楽ではなく数学にしなさい。
え?
どゆこと? 勉強したいことが目の前にあるのに、それダメって。
そりゃあ、必要ならば日本史も物理も化学も数学もやりますよ。
でも一つだけなんでしょ?
え?なんで学びたいこと学んじゃダメなの??
そもそも理系と文系にわけるのっておかしくないですか?
この選択教科の説明会では、今後の進路として文系か理系を決めて提出しないといけないことになっていました。
え?
文系か理系かって。。。なんだろ。どゆこと?
私は地球のことが好きだから地学や科学が好き。
でも英語も好きだし、小説読むのも好きだから国語も嫌いじゃない。
地図を見るのが好きだから地理も好きだし、
数学は答えがはっきり出て気持ちがいいから好きだし。
体育も音楽も好きだし、、、
理系と文系ってなんだ?
どっちに進むか決めなきゃいけないの?
二択なの?
これからいろいろ学び始めるところなのに、今?
両方ってなしですか??
確か、両方に丸をつけて提出した気がします。
先生は困って、聞きにきたけれど、
決められません、どっちも興味があるからって答えました。
先生は、それでもとりあえずどっちかで出してよと言ったような。
そのあとどうしたのかは、よく覚えてないや。。。
私は今学びたいことを学ぶんだ!
結局、地理と地学と弦楽を選択しました。
とても楽しかったなぁ。
満席の教室で数学の勉強を辛そうに受けるクラスメイトを尻目に、初めてのバイオリンやらビオラの練習をする選択授業の時間。
地学はビデオを1時間ただ見るだけという、いわば教師も生徒も楽な捨て駒科目だったかもしれませんが、私は居眠りする友人の横で、目をキラキラさせながらNHK作成のスペクタクルな地球科学の映像に見入っていました。
そしてこのビデオがのちに私の人生を大きく変えるといっても過言ではありません。
でも欲張った分、苦労もあるもので。。。
ただし、どんな選択にもツケというものは回ってきます。
私の場合は、別にサポっていたわけではなくむしろ勉強したくて選んだ結果ではありますが。
現行の日本の大学受験制度では、悲しいことに入るときが一番大変。なので、大学進学を目指す高校生にとって、高校の授業は必然的に大学受験のための勉強となるようです。
そんな制度に、ささやかながら抵抗を見せ「理系文系なんて決められない!」「学びたいことを学んで何が悪いの?」と受験を意識しない授業選びをしてきた私ですが、3年生にもなるとさすがに進路のことを考えないわけにいきません。
調べていくうちに、やはりたいていの大学は受験科目に、私が選択しなかった数学や日本史があり、理科も地学で受験できるところはほとんどありませんでした。
なので、独学で勉強することに。
やはり今から独学で追いつこうなんてとても大変でした。でも本屋さんにはわかりやすい参考書もたくさんありますし、できないことはなかったです。
我慢して数学や物理を選択科目で取っておけばこんな苦労はしなくて良かったのにと多少は思いましたが、いろんな授業も受けられたし、何より楽しかったのでまぁそれはそれで良かったなと思っていました。
ぴったりの志望校みーっけ!
そんなこんなで独学での勉強もしつつ、志望校を決めなければならない時期になりました。
いろいろ調べている中で、文系と理系なんて選べないといっていた私にぴったりな大学が見つかりました。
某国立大学。
もちろん学部は理系文系などにはっきり分かれているのですが、総合大学なのでキャンパス内に体育や芸術や医学や国際や地球科学といった多様な学部があり、学部の垣根を超えて履修することができると書いてあったのです。
これや。
しかし、私は特に進学校に通っていたわけでもなく、どちらかというと付属の大学へエスカレーター式に進む子が多い、(どちらかというとおバカちゃんな)学力の低い高校に通っていました。
なので、自分の学力はもちろんこんなところを受験するレベルでないことはわかっていましたし、ましてや、数学や理科は怪しい独学レベル。
夢のまた夢かぁ。。。
しかし!一般推薦枠というのがありました。
私が通っていた高校が幸いにも学力の低い学校だったために、一応マジメに日々の授業をこなしていた私には、その推薦を受けるための内申点がギリギリありました。
おおー!神は私を見捨てていなかった!
これはチャンスじゃん!!
そう思い、志望校欄に書きました。
「絶対落ちるから受けるのやめなさい」と教師らから言われる。
しかし、担任の先生から言われた言葉はこうでした。
「絶対落ちるからやめなさい」
「職員会議でも無理だろうという結論になったので、ここはやめてうちの指定校推薦を受けなさい。そこならきっと受かるから」
もちろん、私の将来の事を真剣に、親身になって考えてくださったことだとありがたく思いました。
職員会議で私のことをわざわざ話し合ってくれたんだと感激したのを覚えています。
職員室でそう言われた私は、あぁ、やっぱり私には無理なのか。そうだよね。。。と素直にそのまま受け止めて、わかりましたと答えました。
ただ、私立大学へ行く経済的余裕がうちにはないことをわかっていたので、指定校推薦の線はないなと思い、いったん持ち帰ることに。
そうなると、一般受験で頑張るしかないかー。志望校ももう一回考え直さないとだなーと帰宅し、母親にこの一件を話すと、
「え? 受けれるんでしょ? ならダメもとで受ければいいじゃない」
とあっさり。
「え? そうなの? そうかなぁ。いいのかなぁ。先生はぜったいダメ、やめたほうがいいみたいな言い方だったけど」
母親は「まぁ、落ちるだろうけど(笑)、受けるだけタダでしょ? いい経験になるだろうし」
「そう?!そうだよね!目の前にチャンスがあるのにみすみすチャレンジもしないで避けることもないよね!」
とやる気になってきた私。
でも、逆に母親がこんな心配を始めました。
「もしかして、あんたの他にその学校の推薦を希望してる子がいるのかしら。だからあんたよりその子をってことで。。。もしくは、うちが学校への寄付金を払ってないから。。。」
元来、母親は超超超心配性な性格です。
あれこれ人の気持ちの裏の裏まで汲み取ろうとして、気遣いやおせっかいを通り越して、大丈夫?とこちらが心配するほど(笑)
そんな虫が出てきてしまったようでした。
「いや、お母さん。寄付は関係ないでしょ。そんなんで贔屓する学校ならこっちから推薦願い下げだよ。でも、学校から推薦できる人数制限があるとしたら他の子も希望してるってのはありえるかも。。。」
というわけで、翌日担任の先生に率直に聞いてみることにしました。
すると、
「いやいや、誰も他に希望している子はいないわ。それに指定校推薦と違って、一般推薦は特に人数制限ないですよ」
少しホッとした私。ならば、受かる望みがないことは承知だが、受験できるならダメもとでチャレンジしたいと話ました。また、私立大学へは行けない家庭の事情も。
先生は、あまりいい顔はしませんでしが、自分で決めたことならばと承諾してくれました。
地学のNHKビデオ三昧の授業が奇跡への一歩だったかも?!
ひとまず志望校は決まったわけですが、その中のどの学部にしようか実は迷っていました。
地球科学にも国際文化にも生物にも医学にも興味があるし。。。
普通は学部を決めてから大学を決めるものです?かね。わかりませんけど。
で、いろいろ悩んだ結果、地球の自然現象についてもっと勉強したいし面白そうだなと思ったので、地球科学系の学部を受験することに決めました。
おそらく地学の授業で見たNHKのビデオシリーズがとても影響しています。
その日から、学校の図書室へ通いつめ、興味を持った南極の本やら、気候、気象の本やら生物、環境といった地学分野の本を毎日たくさん読みました。
そして、推薦入試の面接でおそらく聞かれるであろう「大学へ入ったらどんな勉強、研究がしたいか、その後将来どんなことがしたいか」といったことについて言葉で伝えられるように自分の中で明確にまとめていきました。
入試の日。そして運命の結果発表
遠方からの受験のため宿を予約し、前乗りしました。
思えば初めての一人旅。だったかな?
同じ宿には同じ大学を受験する子が何人も泊まっていました。
最悪なことに風邪を引いたらしく、着いてそうそう鼻水が止まらなくなり、寝込んでしまいました。
けれどなんとか翌日には復活し、受験会場へ。
面接では緊張のあまり間違えたりもしましたが、その間違え方が逆に知識の丸暗記ではないことを印象づけるいいチャンスになった気がすると後から思います。(超ポジティブ笑)
南極へいきたいです!とアピールしたのを覚えています。
無事、入試を終えて帰宅。
落ちたら一般受験だからと勉強に本腰を入れ始めました。
そして、あるの日の高校で。
通りすがった隣のクラスの先生に
「おー!やったな!」
と声をかけられました。
「え?」
「あぁ、まだ知らなかったのか」
すると、担任の先生が目を潤ませながらやってきて、いきなり抱きついてきました(笑)
私は何が起きたかわからずキョトンとしていました。
「受かったよ!」と涙目の先生。
遠方だったため結果発表を見に行きませんでしたので、学校に結果が今日届いたのでした。
やったー!!
学校では、初の国立大学入学者だった?ようで、ちょっとした話題の人となったような、ならなかったような。
とにかく信じて頑張って良かったーーー。
そしてなによりあの時「受ければいいじゃない」と軽く背中を押してくれた母に感謝です。
後で知ったところによると、地球科学の分野はその大学の中でもっとも倍率が低く、また女子の学生数が少ないことから女子にはとても有利だったとのこと。
また、一般入試ではこの子は受からないだろうなぁというやや残念な子を受からせてくれるという噂も聞きました(笑)
なんてツイているのかしら、私!!
当たって砕けることは大事なことだと体感した出来事でした。
何年かしてから母に聞いたことですが、あの時母親はまさか受かるとは思っていなく、落ちたら働かせようと考えていたのでした。
当の私は、推薦落ちたら一般受験じゃ今年は難しそうだから予備校かなーなんてのんきに考えていまして、まさか親にそんな企みがあったとは知る由もなく。
けれど、心配性の母親はあの後なけなしのお金をかき集め、学校へわずかながら寄付をしていたようです。
我が家が貧乏なせいで我が子の可能性を潰すようなことがあってはいけないと思ったのかどうかはわかりませんが。むしろ受かった後に感謝の気持ちを贈ったのかもしれません。
寄付金の大小で生徒を見るような学校ではもちろんありませんでしたから。
ともあれ、ここから私の人生はよくも悪くも激変してゆきます。
乞うご期待❤︎


