各都道府県や各市町村に「体育協会」という組織があります。
それぞれの組織によって仕事内容は違いますが、平たくいうと大体、公共のスポーツセンターや体育館の運営管理をしていたり、小中学校に講師を派遣したり、健康教室を開いたり…といったいわゆる”市民とスポーツをつなぐ”仕事をしていることがほとんどです。

私は数年間、某体育協会に所属して、地域のスポーツ施設で働いていましたので、その時のことを書いてみます。
スポーツを仕事にしたい、施設の仕事に興味があるという方の少しでも参考になれば幸いです。

どうしたら公共スポーツ施設で働けるの?

私の場合は、ハローワークで嘱託職員の求人を見つけ、応募しました。

書類選考→筆記試験→面接→合格
という流れでした。

終身雇用の正規職員ではなく、1年更新の嘱託職員でした。
嘱託職員の募集は、年1度定期的に出ているようです。また、随時欠員募集もあります。

団体によりますが、正規職員の募集もあると思います。ただ年齢制限や学歴などの条件がある場合が多いです。

働きたい施設があったり、スポーツ関係の職員になりたい場合は、ハローワークのほか、その施設や団体のホームページをチェックしたり、施設に募集要項が置いてあったりする事もあるので、足を運んでみるといいと思います。

ただ、職員として採用されるため希望の施設に派遣されるとは限りません。
本部に配属され、事務や経理、広報といったポジションになることもありえます。

どうしてもこの施設でこの仕事をしたい!という希望がある場合は、アルバイトになってしまうとは思いますが、その施設の受付スタッフやトレーニングジムの募集に直接応募するのがベストかもしれません。

また、教室のインストラクターとして働きたい場合は、その施設を運営している団体が「人材登録」を受付けている場合があります。指導できるスキルがあったり、指導の経験がある場合は登録は喜ばれると思います。ただ、仕事が来るかはタイミング次第でしょう。

公共スポーツ施設で働くには
  1. その施設を運営している指定管理者の団体の求人に応募する
  2. その施設が直接募集している求人に応募する
  3. 人材登録に登録しておく
  4. 施設に直接売りこむ

【補足】
①について。その施設の指定管理者を知るには、ホームページの一番下や、パンフレットなどに書いてあります。

②について。私の施設では、退職者が出ると、ホームページや、Indeedを使って求人を出していました。

③について。指定管理者の運営する本部のホームページなどに出ていたりします。

④働いているときに、数人のヨガインストラクターの方が売込みにきました。
私は教室担当だったので対応させていただきましたが、教室の講師は年間契約の場合が多く、なかなか辞めることがないので、実際は飛込み営業で仕事を得るのはほぼないです。
でも、講師が急に辞めなくてはならなくなり、代わりが見つかっていないとか、新規で何か新しい教室を開講しようと考えている時に現われたりすると可能性はゼロではないかもしれません。基本的には人づてで講師を見つけることことがほとんどなので、可能性は薄いですが、ダメもとで名刺だけで渡しておくのもアリかもしれません。

実際はどんな仕事?(ある日の1日:早番業務)

1日の流れ

7:50 出勤。Tシャツとジャージのユニフォームに着替える

8:00〜8:30
開館業務(館内一部と事務所内の清掃、釣り銭の準備、券売機の準備、国旗掲揚など)

8:30〜8:40 メールチェック

8:40 朝礼

9:00 開館。お客さまお出迎え

9:00〜10:50
電話対応、受付サポート、トレーニング室サポート、本日の空き状況などHP更新作業、各時間帯ごとに売り上げ金のチェック、自分の担当の仕事(経理や企画や教室や発注など)をデスクでこなす。(お客様対応がちょこちょこ入ったりして結構バタバタするので、腰を据えて自分の仕事にじっくり取りくめる事は少ないです。クレーム対応やトラブルも多々あります)

10:50〜11:00
各体育室の用具のセッティング(前の団体が使っていた用具をしまい、次に使う団体が使う用具 (卓球台とかボールとか)を器具庫から出す。少人数のスタッフで4室ほどのセッティングを10分でこなさないといけないのでテキパキ動くことが求められます。重い道具もあります。)2時間毎にセッティングの時間が来る。

11:00〜12:50 同じく自分の仕事をしつつ、各対応。

12:50〜13:00 セッティング

13:00〜14:00 お昼休憩

14:00〜15:30 幼児教室の準備と指導補助(場所や人によっては教室の指導や補助に入る事もあります。)

15:30〜15:45 指導の反省会

15:45〜18:00 午前と同じく、各対応をしながら自分の仕事を進める。

18:00 何もなければ、遅番職員に引き継いで帰宅(ダラダラと残る人もいますが、基本的には帰り際にトラブルなどなければ、遅番職員がいるので残業なく帰れます。ただ、イベントの前だったり、自分の担当の仕事の締切前だったりすると閉館まで残っても仕事が終わらないなんて事も。ほとんどありませんが。)

◆遅番の職員は、昼ごろ出勤して、閉館作業(明日の用具のセッティング、体育室、ロッカー室の清掃、売上金の確認と入金など)を行ないます。

◆場所柄、ケガ人が出ることも多いので、適切な対処をしたり、救急車を呼んだりという事もあります。

◆市民に開かれた公共施設という事もあり、色々なお客様が日々来館し、また無茶な要求や理不尽なクレームも頻繁にあります。

◆多くのパートさん、アルバイトさんがいて、一緒に協力しあって仕事をします。ただ、職員でないとできない仕事や、決定、判断は職員が行うので、常に全体を見渡して臨機応変をすることが求められます。

◆自分の担当の仕事を生かして、やりたいことを実現する事は可能です。指導を極めたければ指導の勉強をして教室を持たせてもらったり、物販担当なら新しい製品を提案して見たり、トレーニングが好きなら、知識を活かしてお客さんに教えてあげたり、イベントを企画して開催してみたり、デザインが得意ならチラシを担当してみたり…組織の方針も然り、所長の人柄や施設規模によって、できる仕事はもちろん限られますが、比較的、積極的にやりたいことを提案はできる職場かと思います。少なくとも私が働いていたところはそうでした。しかし楽をしようとすれば楽もできる職場でもあります。

お給料のこと

私は月額18万円ほどでした。プラス、年に2回ボーナスがありました。

公益財団法人の臨時職員の給料は、概して高くないと聞きます。
ここは平均的か、良い方だと思います。完全に地域や団体の規模によると思います。
週休2日で、有給休暇も年に20日あり、一率の給料は不満でしたが、福利厚生は悪くなかったです。

アルバイトスタッフの時給は1100円くらいだったかと思います。

やりがい、醍醐味

やりたいことを実現できるかも

私は、もともと企画をすることが好きだったので、イベントの企画や、新規教室の立ち上げ、グッズの販売、といった仕事を自分から提案してやらせてもらいました。もちろんうまくいったものばかりではありませんが、とてもい経験になっています。わがままを聞いてやらせてくれた所長や、協力してくれた職員、スタッフの皆さんにものすごく感謝しています。

スポーツの楽しみを伝えられる仕事

日々の仕事の中では、体操教室の指導をした時に、参加者の方に「楽しかった」「あなたのレッスンをまた受けたい」と言ってくださったり、トレーニングやスポーツをしたり、イベントに来たお客さんたちがとても楽しそうに晴れやかに帰って行くのを見ると、いい仕事だなーと感じていました。

一丸となって取り組む醍醐味

また、多くのスタッフさんと協力して仕事をするので、いいコミュニケーションを取れるようになると、仕事に行くのが楽しくなりました。人間関係にはとても恵まれていたと思います。全員で大きなイベントを成功させた時などの醍醐味は宝物になります。

逆に、人間関係が良くないと、辛い職場になるかもしれません。一人で誰にも邪魔されず、コツコツ仕事を進めたい人にはあまりオススメではないかも。

働いていてイヤだったこと

日々のクレーム対応

働くということはいいことばかりでは、ありません。
「はぁ??!!」というクレームを自信満々に言ってくるお客さん、受付で怒鳴りつけるお客さん、何時間も電話口でクレームを言うお客さん、他のお客さんに迷惑行為をするお客さん…たくさんいます。
もう!出入り禁止にしてよ!!って思いますが、それが公共施設のできないところです。

もちろんマナーのあるとてもいいお客さんのほうが多いですよ。

ただ、明らかにストレス発散に来てるよねって言う方も。しかも常連さんで。ストレス発散はスポーツでしてよって話しですよ。

そういう方々の話を丁寧に聞いて、対応するのが職員の仕事だったりもします。
理不尽なことでもとりあえず謝ってなだめないといけないこともあります。

向いている人(あくまで参考)

  • スポーツが好きで、人にも伝えたい人
  • 臨機応変に動ける人
  • 責任感のある人
  • ある程度体力がある人
  • お年寄や障がい者にも丁寧に対応できる人
  • 応急手当てやスポーツの知識に興味のある人
  • 遅番、早番勤務が大丈夫な人
  • 大勢で仕事をするのが好きな人
  • クレームにカッとなってしまわない人
  • 座りっぱなしの仕事がイヤな人
  • イベントの企画や運営に興味がある人
  • 人に教えたりすることに興味がある人
  • 子供が好きな人
  • 接客業が苦ではない人
  • とにかくやってみたい人(向いてるかどうかより、やってみたいかどうかが重要だと私は思うので)
変化を好む人にはオススメ。雰囲気や業務量は施設次第

みんなでワイワイ働くのが苦手な人や、腰を据えて仕事に取り組みたい人には向いてないと思います。
自分の進めたい仕事があるのに、電話がなったり、受付にクレーム対応で呼ばれたり、2時間置きにセッティングに行かなくてはならなかったりと、座ってじっくりパソコンや作業に向き合えることが本当に少ない職場です。
「あー!もう!」と思うことも多々あります笑

それでもテキパキ仕事をこなせる人にはとても向いている仕事かなと思います。
日々、色々なことが起こるので、そういうことを楽しめる人なら楽しい職場になると思います。

ただ、利用者や教室の少ない施設は割と暇かもしれないので、そういった施設を選べばゆっくり仕事をすることも可能かもしれませんね。